2012年11月08日
旭硝子、米国のソーラー用カバーガラス工場を閉鎖
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:旭硝子

旭硝子(AGC)は8日、100%出資の米国子会社、「AGCガラス・ノースアメリカ社」がテネシー州に持つ、ソーラー用カバーガラス工場(キングスポート工場)の閉鎖を決めたと発表した。11月中に実施する予定。従業員約90人は解雇または配転する。

同工場はこれまで、結晶型シリコン・タイプの太陽電池カバーガラス専用工場として、素板及び加工製品を北米市場向けに製造、販売してきた。だが、世界的にソーラー用ガラス市場は競争が激しく、とくに米国市場には、太陽電池モジュール自体とともに中国製カバーガラスが大量・安価に流入し供給過剰の状態にある。

AGCガラス・ノースアメリカ社は建築用や自動車用などのガラスメーカーで、オハイオ州、ケンタッキー州など北米に5工場を持つが、今回のキングスポート工場閉鎖で4工場体制となる。ソーラー関連では薄幕型ガラス基板や太陽光発電用ミラーなどの生産は4工場で続ける。

旭硝子グループは、北米での生産拠点は失うものの、製品供給はアジアと欧州の残りの3拠点から継続して行う。
今回の閉鎖でグループ全体のソーラー用カバーガラスの生産能力は3割以上削減することになる。

【AGCガラス・ノースアメリカの概要】
(1)社 名 AGCフラットガラス・ノースアメリカ株式会社
(2)本 社 アメリカ ジョージア州
(3)資 本 金 810.3 百万US ドル
(4)出資比率 AGC 100%
(5)設 立 1978年
(6)事業内容 建築用/自動車用/ソーラー用ガラス製造販売
(7)従業員数 約3300 人(2012年9 月30 日現在)

<キングスポート工場の概要>
(1)所在地: 1400 Lincoln Street Kingsport.TN 37660.U.S.A.
(2)代表者: 工場長 ブルース・フラハティー
(3)操業開始: 1927年(AGC 購入は1978 年)
(4)従業員数: 約90名
(5)生産品目: ソーラー用カバーガラス
(6)製造設備: ガラス素板生産窯、ガラス加工ライン(強化・コーティング)