2012年11月08日
青学大、「究極の3Dテレビ」実現へホログラム材料開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は8日、JST課題達成型基礎研究の一環として、青山学院大学がリアルタイムで物体の三次元情報を記録・再生することが可能な新しいホログラム材料を世界で初めて開発に成功したと発表した。

ホログラフィーは、空間に自然な3D画像を作り出せる技術で、クレジットカードや紙幣の隅にある光る部分などで使用されている。ホログラムに光を当てると、暗号化された物体の3D画像が浮かび上がる。これまでは、展示やアート作品に、また複写機では複製できないことを利用して、偽造防止などに使われていた。リアルタイムで暗号を記録・再生できるホログラム材料が開発されれば、3D画像の動画を再生できる3Dテレビの開発が実現するため、新しいホログラム材料の開発が求められていた。

青山学院大学では、光を照射すると瞬時に着色し、光を遮ると速やかに無色に戻る独自開発の高速フォトクロミック化合物を応用して、暗号をリアルタイムで記録・再生できるホログラム材料の開発に成功した。

このホログラム材料では、物体の動きに応じて、古い暗号が消失し新しい暗号が新たにリアルタイムで記録されるため、3D映像を再生することができる。とくに、大面積スクリーンにすることも可能であるため、今後は新しいタイプの3D映像表示システムをはじめとして、光コンピュータ素子、エンターテインメントへの利用が期待される。