2012年11月14日
三井化学・田中社長、「競争優位事業をグローバル拡大」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学
田中稔一社長

三井化学の田中稔一社長は14日の記者会見で、2012年度の業績と中期経営計画の進捗状況を明らかにした。

まず2012年度通期決算では、売上高1兆4,300億円(11年度1兆4,540億円)を見込み、営業利益230億円(216億円)、当期純利益50億円(△10億円)と大幅改善を目指す。そのために中期経営計画のスピードアップを図る。「今後達成しなければならない目標として、ROS7%、営業利益1000億円を目指したい」と強調した。

中計の進捗では、5-5-5-戦略(重点5事業、世界トップ5事業、育成5領域)について「重点5事業と世界トップ5事業は着実に進展しており、2013年度と14年度には戦略の効果がかなり出てくる」との見通しを示した。
だが同時に、「高付加価値ポリマー、高機能製品、フェノール・チェーン製品3分野に経営資源を集中し、13年度に営業利益1000億円の達成する計画だったが、数年遅れそうだ」とした。

具体的な中計進捗状況については、農薬事業のグローバル展開は「タイ、ブラジルに続いてインド、北米、欧州、中国と相次いで営業拠点の拡充が進展している。グローバル拡販は順調に進捗している」とした。

また、フェノール事業の構造改革では、「余剰アセトン対策は当面、減産効果が市場に出てきたが、今後はアセトンの高付加価値化やアセトンリサイクルプロセスを増強する。フェノールのコストダウンは13年末に35億円に達するが、同時に世界最高のコスト競争力を持つ抜本的なプロセス改良などで、世界トップを目指す」と力を込めた。

石化事業の構造改革では、「ポリオレフィン事業で徹底的なコストダウンに取り組んでおり13年度100億円の目標を達成する。エチレンセンターの構造改革では、低稼働対策を実施し70%稼働でも採算が取れる稼働体制を構築するほか、LLPを活用したエチレンセンターの再構築を図る」とした。

千葉地区センター各社との話し合いについては「ダウンサイジングしてどれだけ国際競争力がでてくるかがポイントになるが、方向性では一致しているし、話し合いも進んでいる。石油精製各社があれだけやっているのだし、次は石油化学の番だと思う」と期待を込めた。