2012年11月20日
カネカ、発酵法で放射能洗浄剤 本格供給開始
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:カネカ

カネカは20日、東京電力福島第1原子力発電所の事故による放射性セシウムを除去する洗浄剤を独自の発酵・精製技術で開発したと発表した。環境に優しい洗浄剤として、汚染現場を中心に本格供給開始した。

開発した洗浄剤(製品名:カネカ天然界面活性剤)は、汚染された道路や建物に、低濃度の希釈水溶液を少量使用することで、汚染物質を飛散・拡散させず効率的に回収することができる。

これまで多方面からの協力で、除染対象区域内の現場で実験を行い、除染効率などを検証してきた。

同製品の特徴は、成分が天然物であり環境に優しいこと。通常の洗浄剤は主成分である界面活性剤が化学合成法によってつくられるが、同製品は微生物発酵法でつくられている。洗浄成分は、低濃度で大きな洗浄効果を発揮するため使用量が少なく、生分解性に優れるため環境への影響が小さい。

また、使用後回収した洗浄水から、洗浄成分を沈殿・除去できる性質を持つため、排水への洗浄成分混入を防ぐこともできる。