2000年12月20日
香西日化協会長「来年の世界経済楽観できる」
「米国経済は政策手段に余裕がある」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:住友化学、日本化学工業協会

 日本化学工業協会の香西昭夫会長(住友化学工業会長)は20日の定例記者会見で、来年の世界経済の見通しについて、「欧米ともややスローダウンするかもしれないが、成長は続ける。日本も安定成長していくと、楽観的に見ている」と語った。
 同会長は、まず今年の化学工業を振り返り、「日本経済も順調に回復の道を歩んできたが、化学工業もとくに上期は生産も増え、各社とも好業績をあげることができた。ただ、4Q(第4四半期)に入りアジア向け輸出に変化が出てきたことを心配している」と述べた。
 続いて世界経済の動向に触れ、「気になるのはこれまで欧州やアジアの景気を引っ張ってきた米国経済の動向で、一部にはハードランディングにならないかとの声も出ている。しかし、米国は色々な政策手段を持っている。金利政策にしてもバブルを抑えるためにかなり余裕をもって政策運営してきた。多少スローダウンすることはあっても大きく落ち込むようなことはない。日本も成長は約束されている。来年は安定成長できると楽観している」と語った。
 また、今日発表された2001年度予算の大蔵省原案について、「予算の組み立ては大変だったと思うが、全体としてまずまずではないか。公共投資にしても一概に悪いわけではない。新幹線工事など、やったり中断したりと、企業では考えられないようなことをやってきた。新しい体制の下で少しは変わっていくと期待している」と感想を語った。