2000年05月17日
ダイセル化学と新日鐵、プラリサイクル技術の実証プラントを建設へ
使用済プラスチックからメタノールと塩素を回収
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:ダイセル化学、NEDO

 ダイセル化学工業と新日本製鉄は17日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受けた財団法人クリーン・ジャパン・センターに協力し、塩ビを含む一般系および産廃系の使用済プラスチックのリサイクル技術確立のための試験プラントを建設する、と発表した。
 今回検討する技術は、塩ビを含む使用済プラスチックを高温で部分酸化分解し、一酸化炭素、水素および塩化水素を主成分とする化学原料ガスを生成、一酸化炭素と水素を反応させメタノールを合成するとともに、塩化水素を塩素として回収する一貫技術。
 建設する実証プラントの使用済プラスチック処理能力は5トン/日程度の規模で、2001年7月から建設に着手、2001年初頭から技術確立に向け試験運転を開始する。
 今回の技術開発では、使用済プラスチック中の炭素分を一酸化炭素として活用し、地球温暖化に影響を及ぼすといわれる二酸化炭素の排出を出来るだけ抑える点がポイントで、新日鐵が保有する部分酸化技術と、ダイセル化学がもつ化学原料ガス利用の研究を有効に利用するとしている。
 一般的にプラスチックのマテリアルリサイクルは、収集した使用済プラスチックを材料ごとに分別し、再びプラスチックとして再利用することを意味する。しかし、現在の技術レベルでは、経済的に収集した使用済プラスチックを材料ごとに完全に分別することは困難で、その後の用途も限定されると指摘されている。