2012年11月28日
理研、「素人でもプロ棋士と同じ直観的思考回路持てる」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所(野依良治理事長)は28日、将棋の経験がない20人に、将棋を単純化した25マスの「5五将棋」により4カ月間訓練したところ、訓練前にはなかったプロ棋士並みの直観的思考能力が脳に現れたと発表した。

訓練初期と訓練後の脳の働きを機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で測定・比較した結果、訓練を通じて直観的思考能力が上達した。プロ棋士と同じ直観的思考の神経回路が発達することを確認した。

理研では2011年に、プロ棋士が直観的な次の一手を導き出す時に、大脳基底核にある尾状核を通る神経回路を使っていることを発見したが、それが長年にわたる訓練によるものなのか、本来尾状核の神経回路の働きが良かったのか判断がつかなかった。

今回の研究成果により、素人でも一定期間集中的に訓練すれば、プロ棋士が使っている直観的思考の神経回路を発達させることが可能なこと、つまりプロ棋士が持つ直観的思考回路は特別なものでなく、地道な訓練によって養われることが分かった。