2000年12月20日
バセル・ポリオレフィンズ、欧米3拠点で一部PP設備の休止を検討
合計50万トン規模/需給のインバランス解消が狙い
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 バセル・ポリオレフィンズは現地時間の19日、ドイツ、イギリスおよび米国の生産拠点において、PP(ポリプロピレン)需給のインバランスが深刻な状況にあるとして、年産50万トン相当のPP(ポリプロピレン)設備の休止を検討していることを明らかにした。
 同社のPPのCOOであるKees Linse氏は、「過剰な生産能力がバセルのPP事業に受け入れがたいほどの財政上の損失を招いているため、このような措置を実施しようとしているものである。我々は近い将来に現在の状況が改善することを期待する前に、事業の収益性を取り戻し、長期的な成功を収めるために今、行動を起こさなければならない」と語った。
 設備の休止は、独ヴェスリング、英カーリントン、米テキサス州ベイポートなどで行われる予定で、Linse氏は、「我々のユーザーに対する代替の供給策を論議した上で、実行可能と判断したらただちに生産を停止する」と説明した。 また、バセルの欧州PP事業担当役員のRobert Genin氏は、「ヴェスリングにある2つのノボルネンガスフェーズ設備は、12~18カ月は生産を停止するだろう。カーリントンのホモポリマー系列は、停止期間は未定だが来年1月から長期休止に入る見通しである」と語った。さらに同氏は、イギリスおよび北西ヨーロッパの設備停止の決定が、景気の良くない市場や最近の新増設計画に強い影響を与える可能性も示唆した。
 また米国のベイポートでは、スフェリポールプロセス設備がアイドリング状態になる見通しで、バセル・ノースアメリカのE. Platz社長は、「これはビジネス上正しい決定である。我々はメンテナンスを行い、技術をアップグレードするための時間とチャンスを手にしたので、設備をどんなに状況が変化しても、よりコスト競争力のある設備に仕上るつもりである」と語っている。
 なお、今回休止を予定している設備に携わっていた従業員については、影響を最小限に抑えるべく配置転換などで対応していく方針。