2012年12月05日
市川・昭電社長「来年も世界の経済環境厳しい」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工

昭和電工の市川秀夫社長は5日記者会見し、最近の経営状況や2013年の事業戦略などについて説明した。

2013年の世界経済は、欧州などの先進国や中国など新興国の成長鈍化により回復は小幅にとどまる見通し。日本経済も円高や電力コストの上昇、復興需要の遅れなど、内外とも厳しい状況が続くとした。

2013年度(1-12月)の業績予想は、売上高 8000億円(2012年度は7500億円見込み)、営業利益 350億円(同320億円)、純利益150億円で、売上高、利益とも小幅な改善にとどまる見込みだとした。

新年度の重点項目は「グローバル展開の加速」と「国内事業の収益改善」の2本が柱となる。グローバル展開では中国における既存事業の一層の拡大や、アセアンでの拠点拡充に力を入れる。国内事業では、環境の変化により足元の収益力が低下している石油化学、化学品、アルミニウム、レアアース等の事業構造を見直し、体質強化を図る。

石油化学部門は、大分コンビナートのエチレンプラント9割稼動継続を目指す。新日鉄住金化学と合弁で新発足したNSスチレンモノマーの設備更新が13年央に完成する。今後はエチレンの原料転換(天然ガスやオイルシェール)に伴い、ブタジエンが貴重な原料となる。クラッカー留分の高付加価値化に向けて、アセトアルデヒド法によるブタジエン製造プロセスの開発を急ぐ。

これらの戦略を推進するため、来年初から大幅な組織改正を行い、経営判断の迅速化と効率的・機能的な事業運営を目指す。従来の事業部門・本部制を廃止し、事業部をCEO直轄とするなど強力なトップマネジメント体制を構築する。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1354692011.docx