2012年12月10日
産総研とNIMS、真空を利用したパワースイッチを世界初開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所と物質・材料研究機構(NIMS)は10日、ダイヤモンド半導体の特徴を利用することで、真空を用いた高耐圧パワースイッチを作製し、動作実証に世界で初めて成功したと発表した。

真空をスイッチ素子に用いるには、スイッチがオンの時に真空に電流を流す電子放出源が必要である。今回研究グループは、ダイヤモンドの表面を水素原子で覆うと、真空中に自由に電子が飛び出すことを明らかにした。

そこで、電子放出源の素材にダイヤモンド半導体を採用した真空パワースイッチを開発し、動作の検証を行ったところ、10KVの電圧でパワースイッチとして機能することを確認できた。

今回の実験結果から、100KVほどの高電圧に耐えられる真空パワースイッチを作ることができれば、理論的に従来の10分の1の大きさの大電力変換装置が可能になることがわかった。

将来、日本近海の洋上風力エネルギー導入や日本列島間での効率的な送電などを行う際に、この技術を利用することで、新しいエネルギー戦略に貢献することが期待される。