2000年12月18日 |
チッソ、深海発光エビの遺伝子単離に成功 |
分子量小さく、診断薬に利用可能 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:チッソ |
チッソは18日、駿河湾に棲息する深海発光エビ「ヒオドシエビ」に由来する発光酵素「分泌型ルシフェラーゼ」のクローニングに成功したと発表した。エビのような10脚類に属する生き物からルシフェラーゼの遺伝子が単離されたのは世界でも初めて。この「ルシフェラーゼ」は、分子量が約10万6,000で、3万5,000と1万9,000の2種のサブユニットから構成されている。触媒ユニットは1万9,000で、これまで報告されている中では最も分子量が小さい。このため遺伝子組み換えが容易で、今後診断薬などへの利用が可能になると同社では期待している。 「ヒオドシエビ」は水深500メートル以下の深海に棲息している。数が少ないこともあり、滅多に捕獲されないが、1996年夏、たまたま地元の漁師がサクラエビの網に2匹かかっているのを見つけた。体長約4センチ、チッソの研究所では国立長寿研究センター、名古屋大学、米国ウッズホール海洋研究所などの協力を得てこの2匹のエビから遺伝子を単離し、解析に成功した。 |