2000年12月18日
BASFプラント・サイエンス、米バイオメーカーを買収
植物バイオ分野をさらに拡大
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:BASF

 BASFプラント・サイエンス社は、このほど米国のバイオテクノロジー・ゲノム企業であるエクシード・ジェネティックスLLC社の資産買収について契約を締結した、と発表した。
 エクシード社は、1994年に設立、トウモロコシの特性を栄養的に強化する分野で先駆者的役割を果たしてきた企業で、昨年北米で発売したニュートリデンスをはじめ、「エクシード・ハイブリッド・コーン」のブランドで多数の製品群を販売している。なかでもニュートリデンス・ハイブリッド・コーンは、トウモロコシの油脂とタンパク質、アミノ酸を向上させた製品として、鶏肉や豚肉、乳製品市場で、動物の飼料代の節約に効果を発揮することが実証されている。また、アイオワ州立大学に研究グループを置いており、でんぷんの技術研究で優れたパイプを持ち、食品や産業用のでんぷんの応用で将来が期待されている。
 BASFプラント・サイエンスのプレジデントであるハンス・カスト氏(全BASFジャパン社長)は、「エクシード社のニュートリデンス製品は、動物用飼料分野における植物バイオテクノロジー研究のために素晴らしい開発基盤となるだろう。BASFは、ビタミンやアミノ酸サプリメントなどのファインケミカル事業を全世界で展開しており、動物用飼料を扱う世界中の顧客と太いつながりがある。この重要な市場に向けたBASFの製品ポートフォリオがさらに拡大されることになる」と語った。
 なおBASFは、スウェーデンのでんぷんのバイオテクノロジー企業であるアミロジーン社を買収しており、これにエクシード社のでんぷん研究事業を補完することで、トウモロコシや穀物、ポテト類の技術とともに、でんぷんの生産、品種改良において業界のリーダーなることが可能であると見ている。またBASFプラント・サイエンス社は、BASFとスウェーデンの種苗会社スヴァレーブ・ヴェイブル社との合弁会社で、今後10年間に7億ユーロ以上の資金を研究活動に投入、事業の育成を図る方針。