2013年01月09日
産総研など、ミドリム主原料のバイオプラスチック開発
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

科学技術振興機構(JST)は9日、産業技術総合研究所、日本電気、宮崎大学が共同で、微細藻の一種であるミドリムシから抽出される成分を主原料とした微細藻バイオプラスチックの開発に成功したと発表した。

この微細藻バイオプラスチックは、ミドリムシ(ユーグレナ)が作り出す多糖類(パラミロン)に、同じくミドリムシ由来の油脂成分(ワックスエステル)から得られる長鎖脂肪酸またはカシューナッツ穀由来の油脂成分で柔軟性を持つ長い鎖状部位と剛直な六角形状部位を併せ持つカルダノールを付加して合成され、熱可塑性と耐熱性に優れ、植物由来成分率が約70%と高いのが特徴である。

従来のバイオプラスチックや石油由来の樹脂に劣らない耐熱性と熱可塑性を持つほか、光合成によって二酸化炭素を効率よく有機化合物に変換できる藻類を利用したのが特徴である。

今後は、微細藻バイオプラスチックの部制と構造の詳細な関係を明らかにし、さらに高い耐熱性や強度などの優れた実用特性を目指して分子設計を推し進めていく計画である。また、ミドリムシの効率的な培養方法やパラミロンの抽出方法など、微細藻バイオプラスチック製造に欠かせない技術についても研究を進める方針である。