2013年01月10日
農工大とトクヤマ、世界最高水準の深紫外線LED開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:トクヤマ

東京農工大学とトクヤマは10日、世界トップレベルの出力特性を有する高性能深紫外線発光ダイオード(LED)の作製に成功したと発表した。トクヤマは今年中にサンプル出荷によるユーザー評価を開始し、2015年度までの事業化を目指す。

現在、医療、浄水、食品分野の殺菌には水銀ランプが主流として大使用されているが、消費電力が大きく、有害物質である水銀を多く含むことから高環境負荷のデバイスであることが課題であった。とくに、今年10月に国際的な水銀規制新条約が採択される予定であり、水銀フリーが世界の潮流となりつつある。そのため、小型で高効率な省エネ代替光源として深紫外線LEDの開発が国内外で活発になっている。

今回、昇華法で作製した窒化アルミニウム(AIN)結晶上に、独自のハイランド気相成長法(HVPE法)で高速成長したAINより、高い深紫外線透過率と低欠陥密度が両立したAIN基板を世界で初めて実現した。

トクヤマは、HVPE法のライセンス受け、この手法を量産技術として確立するとともに同基板上に殺菌用途に最適な260nm帯(UV-C)紫外線LED作製し、世界トップレベルの出力特性を確認した。

今後、東京農工大では、殺ウイルス、植物育成制御分野など様々な分野でクリーン、長寿命、小型、低消費エネルギーな深紫外線LEDの特徴を活かした新市場の創出を検討する。