2013年01月17日
阪大、破骨細胞が骨を壊す様子の可視化に世界初成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は17日、大阪大学が生きたままで骨の内部を観察することに成功し、破骨細胞が実際に骨を壊していく様子を、リアルタイムで可視化することに成功したと発表した。関節リウマチや骨粗鬆症、がんの骨転移に対する理想的治療法の開発に道を拓いたことになる。

この可視化により、「骨の表面にヒルのように強力に貼りついて骨を壊している破骨細胞(R型)」と、「骨の表面でアメーバのように動き回って骨を壊していない破骨細胞(N型)」の2種類の細胞が存在し、破骨細胞はR型とN型を短い時間で遷移していることもわかった。

さらに、骨粗鬆症などの状態では、破骨細胞の総数だけでなく、R型の数が増えていることや、治療薬(ビスホスホネート製剤)を投与すると、破骨細胞の総数が減るだけでなく、N型が増えることで骨の破壊が抑えられることがわかった。

また、関節リウマチなどの骨破壊に関与すると言われていたTn17という炎症性T細胞は、骨の表面で破骨細胞に接触し、N型をR型へと変換させることで骨の破壊を引き起こすことが、実際のライブイメージングで解明できた。