2013年01月21日 |
日本触媒 事故調査委報告「温度検知・監視に不備」 |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:日本触媒 |
日本触媒は18日、姫路製造所で2012年9月に発生したアクリル酸中間タンク爆発・火災事故について、原因や対策を検討してきた「事故調査委員会」(委員長=田村昌三・東京大学名誉教授)の中間報告がまとまったと発表した。この中で事故発生原因について、「アクリル酸中間タンク(容量70リューベ)内の冷却水を下から上へ持ち上げ、循環する仕組みになっていたのに実施していなかった」点などが推定された。 報告書は事故の概要、被害状況、発生状況、原因の推定、再発防止策、今後の取り組みなど11項目で構成。 このうち「事故原因の推定」の項では以下のように述べている。 (1)中間タンクへの高温の精製塔ボトム液を受け入れ、また、タンクの貯蔵液量を増加したにもかかわらず、天板リサイクルを実施しなかったために、冷却不足となり、タンク内でアクリル酸を高温で長時間滞留させることになった。 (2)アクリル酸二量体が、高温時において低温時と比較して早い反応速度で生成することは認識していたものの、その反応熱がタンク貯蔵液の温度上昇までつながる潜在的危険性があることを十分に認知していなかったため、タンクの貯蔵液温度の上昇を招いた。 (3)タンク貯蔵液の温度検知および温度監視の不備があったことにより、アクリル酸の重合反応が進行するまで異常な状況を把握できなかった。 また、「再発防止対策」として、次の点を指摘した。 <設備面の対策> (1)温度検知及び温度管理の強化(遠隔監視等) (2)高純度アクリル酸精製塔ボトム液移送配管(蒸気ジャケット)の仕様変更 <管理面の対策> (1)温度管理範囲(閾値)の見直し及び逸脱時の対応明確化 (2)タンク貯蔵液の天板リサイクルの常時実施 (3)アクリル酸二量体化生成による潜在的危険性に関する教育の徹底 ニュースリリース参照 〇姫路製造所における爆発・火災事故について http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1358744728.pdf 〇事故調査委員会中間報告 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1358744728.pdf |