2000年12月14日 |
BPAの低用量影響を示す試験結果は得られず |
米国の試験研究所が日化協のブリーフィングで明らかに |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:日本化学工業協会 |
日本化学工業協会は、環境庁が16日から18日まで横浜で「内分泌攪乱化学物質問題に関する国際シンポジウム」を開催するのにタイミングを合わせて14日、米国化学協議会、米国プラスチック協議会、欧州化学工業連盟の各団体と合同でマスコミに対する事前ブリーフィングを開いた。 この中で説明役の一人を務めた米国リサーチ・トライアングル・インスティチュートのロシェル・タイル博士は、最近実施したビスフェノールA(BPA)の安全性に関する試験の結果について、「3世代生殖毒性試験を行ったが、低用量での動物への影響は認められなかった」と報告した。 BPAの安全性については、米国のフォンサール博士が、低用量でも健康に影響が生じるとの見解を7年前に発表、このため、一部の環境保護グループや消費者団体の間にBPAの安全性に不安を持つ向きも出た。しかしその後、日・欧・米の公的研究機関や著名な民間試験組織が相次いでフォンサール博士と同じあるいはより過酷な条件の試験を実施し、その結果、フォンサール博士が指摘しているデータは得られなかったと発表している。今回の同試験所の試験は、さらに3世代まで踏み込んだ徹底した内容のものであったが、結果は、フォンサール博士の試験結果を事実上否定するものとなった。フォンサール博士の試験について再現性が認められないとする試験結果はこれが6件目。 この試験結果は、今年10月に米NTP(ナショナル・トキシコロジー・プログラム)が主催した内分泌攪乱化学物質問題に関するパネルで報告されており、また横浜のシンポジウムでも第3日午後二同博士が詳細を発表する。 |