2013年01月29日
JNC・静岡大など「紡績可能なカーボンナノチューブ」開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:JNC
紡績したCNT繊維

チッソの事業会社JNCと静岡大学および同大学発ベンチャー企業、浜松カーボニクス(本社:静岡県浜松市、池戸智之社長)の3者が設立した「SHJコンソーシャム」は28日、紡績可能なカーボンナノチューブ(CNT)を開発したと発表した。

本来、ミクロン単位の短かい結晶分子が、紡績糸のかたちで連続的に製造できる。現在、サンプル提供中だが、2015年4月をめどに量産化を目指す。

CNTは、炭素原子が並んだ筒状の結晶分子で、高電気伝道性、高熱伝道性、高強度、極軽量などの優れた特長を有する。このため、航空機の機体や電気自動車のモーターなど使用されている炭素繊維や銅線に替る次世代素材として期待されている。

今回、同コンソーシアムが開発したのは、直径20-40ナノメートル、長さ50メートル以上のCNT紡績糸を高速・連続的に紡績する技術で、糸に柔軟性があるため、シート製品に加工して市場展開することもできる。

CNTは数ミクロンから数百ミクロンと短かく、水や有機溶媒への分散性が低いため、これまで繊維やシート加工する場合は、溶かすための前処理が必要だった。

今回の開発技術はこれらの課題を解決したもので、コスト的に有利なCNT紡績糸が得られるとみられる。

SHJコンソーシアムは、1月30日から東京ビッグサイトで開催される「第12回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」に同製品を出展する。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1359351793.pdf