2013年01月29日 |
三菱樹脂、フィラメント数1万6000本の超高弾性炭素繊維 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:三菱樹脂 |
三菱樹脂は29日、ピッチ系炭素繊維として業界初となる繊維1束あたり1万6000本(16K)のフィラメント数を実現した新グレード「ダイアリード K13916」を開発したと発表した。2月1日から販売開始する。ピッチ系炭素繊維として高い剛性と強度をあわせ持つため、鉄やアルミなどの金属を補強する分野に用途開拓が期待できる。 炭素繊維には、ポリアクリロニトリル(PAN)系とピッチ系の2種類があるが、ピッチ系炭素繊維には剛性(固さ)や熱伝導性に優れ、樹脂との複合化によって熱膨張率ほぼゼロの製品が生産できるなどの特徴を有する。 新グレードは、繊維1束のフィラメント数を業界初の1万6000本(16K)まで太物化させた。 このため超高弾性を有し、引張弾性率は鉄の3倍以上となる760GPa、引張強度も3,200MPaを実現した。 太物化と強度の向上により、炭素繊維のハンドリング性が向上し、プリプレグ(注)や板材などへの二次加工が容易となる。顧客にとっても加工を含めたトータルコストを大幅に低減することができるとしている。 坂出工場で生産、初年度売上目標は3億円。 既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile/NCODE/36062 三菱樹脂は先に「ダイアリード K13312」発売を発表しており、今後は両製品をピッチ系炭素繊維「ダイアリード」の主力グレードとして積極的に市場展開していく方針である。 <用語の解説> ■プレプリグ : 炭素繊維に樹脂を含浸させたシート状の中間材料のこと。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1359434057.pdf |