2013年02月05日 |
宇部興産、堺工場のカプロラクタム停止 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:宇部興産 |
宇部興産は5日、ナイロン原料カプロラクタムの堺工場(大阪府)での生産を2014年3月末かぎりで停止すると発表した。今後はリチウムイオン電池材料など高付加価値製品中心の生産拠点に転換する。 同社は1955(昭和30)年に宇部工場に“ナイロン”で親しまれた樹脂や繊維の原料カプロラクタム(HPO法)の生産を開始して以来、同事業には長い歴史や実績を持つ。 生産設備は現在、堺に年産10万トンのほか、宇部ケミカル工場9万トン、タイ13万トン、スペイン9万5,000トンと世界に4拠点、合わせて年産41万5,000トンの生産能力を持つ。最近まで世界第3位の規模とシェアを誇ってきたが現在は第4位。 一方市場は、世界経済の減速で需要の伸びに力強さを欠いてきた。中国を中心に新規メーカーの参入や増設が相次ぎ競争は激化。原料となるベンゼン価格の高騰もあって事業採算は急激に悪化してきた。 こうした事情から、堺工場のカプロラクタム設備を停止し、関連設備と合わせて同事業から撤退することにした。 今後はリチウムイオン電池用セパレーターなどの高機能・高付加価値製品中心の生産拠点に再構築していく方針である。今3月期決算に126億円の特別損失を計上する。 <停止・廃棄設備>(年産能力) ・カプロラクタム 100,000トン ・アンモニア 200,000トン ・液化炭酸 99,000トン ・硫安 160,000トン ・1,6ヘキサンジオール 5,000トン ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file3_1360046239.pdf |