2013年02月08日
茂木経産相が「大臣就任メッセージ」
今年を“新次元の日本経済”構築元年に
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省
茂木敏充経済産業大臣

安倍政権の発足から1カ月余り。日本経済再生に向けた取り組みに期待と注目が集まっているが、茂木敏充経済産業相は8日、“「三本の矢」を一気に放ち、新しい成長戦略や国際展開戦略を実行していく”とする「大臣就任メッセージ」を発表した。新年に予定していた「年頭所感」が間に合わなかったため、新政権の基本方針を盛り込んだ「就任メッセージ」に代えた。

大臣メッセージは、(1)新政権の基本方針と緊急経済対策(2)経済政策の司令塔と成長戦略(3)日本企業を取り巻く“4重苦”の解消(4)まとめ、の4項目からなる。

基本方針では、まず、日本経済の再生に向けて、金融・財政・成長
戦略の「三本の矢」を切れ目なく実行するとしたあと、緊急経済対策、平成25年度予算の内容を説明。税制改正では「長年の懸案だった自動車取得税の廃止や研究開発税制の大幅拡充、事業承継税制の見直しなど大胆な措置」をとるとした。

経済再生に向けて組織体制も新しくした。まず3年半ぶりに復活した「経済財政諮問会議」が経済財政運営の基本設計を行う。デフレ・円高からの脱却のため明確な物価目標を2%に設定し、大胆な金融緩和を進める。新たに創設した「日本経済再生本部」が経済政策の実施設計を行う。同本部のもとに「産業競争力会議」を置き、企業経営者や有識者も加えて今後の成長戦略などを立案する、と説明した。

“4重苦”として、(1)円高・為替(2)関税などの国境措置(3)法人税や国内の規制問題(4)資源・エネルギーや電力価格などのコスト、の4つを挙げ、解消策を説明した。

この中で為替について「対ドルでの円高は注目されているが、対韓国ウォンも、昨年までの4年間で円は2倍の円高になっている」と実態を紹介し「デフレ・円高からの脱却は新政権の最優先課題だ」と強調した。

TPPについては、「自民党の政権公約(聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉に不参加)を踏まえつつ、国益にかなう最前の道を求めていく」としたあと、「先日も米国のカークUSTR代表と会談した。今後も国内への影響の試算や米国との協議を進める中で、国益にかなう最善の方策を検討していく」とした。

また、国内の規制緩和問題では、(1)新規参入を促し健全な競争環境をつくる(電力システムなど)(2)事業化までのスピードアップ(iPS研究の早期実用化など)(3)制度の国際化、日本の制度が「ガラパゴス」(日本で独自の方向へ進化し、世界の標準とかけ離れてしまう現象)にならない、の3点をポイントに挙げた。

まとめとして茂木大臣は「今年は、新しい経済環境の中に新しい成長産業を埋め込み、裾野が厚くて広い“プログレッシオ・ジャポニカ(新次元の日本経済)”を構築していく元年にしたい」と力を込めた。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1360559264.docx