2000年12月13日
BASF、武田薬品のビタミン事業買収で正式認可を取得
ドイツ当局が承認/世界規模で6億ユーロの設備投資に着手
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:BASF、武田薬品工業

 BASFは13日、武田薬品工業からのビタミン事業買収が、このほごドイツの独占禁止法関係当局により正式に認可されたことを明らかにした。この買収については、すでに米国と日本をはじめ、多くの欧州諸国でも認可を取得しており、世界第2位のメーカーとして、今後の拡大・強化に向けた重要なステップを通過したことになる。今後は世界規模で総額6億ユーロの設備投資プログラムに着手し、コストと技術の両面で、グローバル・リーダーシップの獲得を目指す。
 同社は、今後のビタミン事業の展開における強みについて、事業がグローバルに拡大、世界市場で30%のシェアを獲得、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミンで完全な製品群を構築、食品や医薬品、飼料産業に対しあらゆるビタミン製品の供給を単独で行うことの出来る、ワンストップ・ショッピングが可能となる、効率の高いマーケティングと販売機能を備える、世界規模でコストと技術の両面におけるリーダーシップを獲得、などを挙げている。
 今回の事業取得を受けてBASFは、最重要ビタミン製品生産用にコスト効率の高い世界規模のプラントを新設あるいは拡大するため、6億ユーロの投資プログラムに着手し、主要ビタミンにおいて競争力の高い設備を確保する。同プログラムの対象には、アジア、欧州、北米地域における設備拡大が含まれている。
 同社では、世界のビタミン市場は少なくとも年率4%のペースで確実に成長していると見ており、武田薬品の事業取得により、栄養食品サプリメント分野での地位が大幅に強化される見通し。ビタミン製品は過去10年間で大型の消費製品に成長してきており、世界規模の生産設備と最新のテクノロジーが必要とされているという。
 なお同社のビタミン事業は、医薬品産業や栄養産業、化粧品産業向けの製品を手がけているBASFファインケミカル事業部が統括している。1999年におけるファインケミカルの売上高は14億ユーロ(約1,500億円)で、このうちヒトと動物の健康・栄養用ビタミンの売上高は5億ユーロ(約550億円)を占めている。一方、1999年における武田薬品の水溶性ビタミンの売上高は2億4,000万ユーロ(約264億円)となっている。