会見する松永隆善積水化学専務

積水化学工業は21日、米国で添加剤などを生産する、ルーブリゾール社（本社：米オハイオ州）と、タイに塩素化塩ビ（CPVC）樹脂の合弁会社を設立することで合意したと発表した。

新会社の社名や役員などは未定。出資比率は積水化学51％、ルーブリゾール49％。
2014年末の生産開始をめどに、タイ・ラヨーン県マプタプットに年産3万トンのCPVC生産設備を建設する。
投資額は5000万ドルの見込み。工場の運転は積水化学が受け持ち、同社の製造プロセスを採用する。

川下となるコンパウンド事業は両社が独自ルートで展開する。
積水化学は工場近くに別途コンパウンド生産拠点を建設する。

CPVCは塩ビ樹脂を塩素化して耐熱性を向上させた特殊樹脂で、主に給湯管やスプリンクラー配管などに使用されるが、（1）耐腐食性に優れる（2）軽量で施工性がよい（3）亜鉛メッキなど従来の金属管に比べてコスト的に有利であるーなどから、新興国を中心に需要が伸長している。

積水化学は現在、徳山積水工業（山口県周南市）に年産3万3000トンの設備を持つ世界第3位のCPVCメーカーだが、今夏には徳山積水の設備を同4万トンに引き上げる。これにタイ合弁会社からの引き取り分を合わせるると、世界シェアは首位のルーブリゾールに次いで第2位に浮上する。

タイ合弁会社は、今後需要に応じて年産6万トンまで増設していく予定となっている。
積水化学は引き続きグローバル展開を加速し、インド・ASEANなどの新興国を中心に拡大する需要を取り込んでいく方針だ。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1361421441.pdf

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