2013年02月22日

東ソー子会社、LIB安全性向上へフッ素系3製品開発

【カテゴリー】：経営（新製品/新技術） 【関連企業・団体】：東ソー

東ソーは22日、有機フッ素化合物を製造販売する100％子会社の東ソー・エフテック（本社：山口県周南市）が、リチウムイオン電池（LIB）の安全性向上に優れた効果を発揮する製品として「電解液分解抑制剤」、「電解液用難燃剤」、「新規消火剤」の3製品を開発したと発表した。今後性能評価したうえで、2014年度からの本格販売を目指す。 LIBには正極材・負極材とともに電解液が必要で、高い電圧やエネルギー密度を得るために電解液は重要だが、安全性の面からは（1）高温条件下で長期間使用すると電解液が分解し、電池の内圧が上昇して破裂する危険性がある（2）電解液に可燃性有機溶媒が使用されているため、異常時に発火する恐れがあるーなどが指摘されていた。 東ソー・エフテックが開発した3製品は、これらのリスクの大幅緩和に役立つとしている。特徴は次の通り。 ■電解液分解抑制剤「PFシリーズ」 ・東ソー・エフテックが独自開発した新規フッ素系化合物で、既存の電解液に少量添加することで、高温条件下における電解液分解を大幅抑制する。（電解液分解を約1／100に低減） ・これにより、LIBの安全性並びに電池寿命の向上が期待できる。 ■電解液用難燃剤「TFEP」 ・トリス・ホスファート（TFEP）　：電解液との相溶性に優れた不燃性溶媒で、現在これを添加して電解液を難燃化したり、高電位正極対応溶媒として利用することを検討している。 ・東ソー・エフテックは、TFEPの主原料となるトリフルオロエタノールの世界トップメーカー。このほどLIB用途で使用可能な高純度TFEP生産技術を開発し、世界に先駆けて量産体制を確立した。 ■新規消火剤「CF3I」 ・LIB火災には、ハロンと同等の消火性能を有し、地球環境に優しい「CF31」が最適。東ソー・エフテックは、高純度CF3Iの生産技術を開発し、量産体制を確立した。