2000年12月11日
出光石化、日本とマレーシアで樹脂コンパウンド設備を増強
グループ供給能力は20万3,000トン体制に拡大
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 出光石油化学は11日、同社が有している5つの樹脂コンパウンド拠点のうち、日本とマレーシアで生産能力を増強する、と発表した。日本では来年1月稼動予定で1万5,000トン、マレーシアでは同年3月をめどに3,500トン増強する計画で、完成により出光石化のグループコンパウンド供給能力は20万3,000トン体制に拡大する。投資額は2カ所で10億円を見込んでいる。
 アジアの樹脂コンパウンド市場は、域内経済の回復や家電・OA用途の伸長、自動車用途の需要拡大により、今後とも高成長が見込まれている。これにともない、出光石化のコンパウンド販売量も堅調に拡大しており、特に家電・OA用途のPS(ポリスチレン)難燃グレードや自動車バンパー、インストゥルメントパネル用などのPP(ポリプロピレン)内・外装グレードの販売量が急増していることに加え、PC(ポリカーボネート)やSPS(シンジオタクチックポリスチレン)のコンパウンド製品の引き合いも増加しているという。これらのグレードのユーザーへの安定供給を目的に、北米、インドネシア工場に続いて、今回増強を実施するもの。
 具体的には出光石油化学・千葉工場内の複合樹脂工場において、押出機、ミキサーなど3系列(7系列から10系列へ)および、6系列(年産3万トン)収容可能な建屋、倉庫を増設することにより、生産能力を1万5,000トン増強する。この結果、来年1月の稼動開始により現在の年産3万トンから4万5,000トンに拡大する。
 一方、マレーシアでは、子会社のポリスターコンパウンズにおいて、押出機、ミキサーなど1系列(9系列から10系列)を増設、現在の年産1万8,500トンから3,500トンアップの2万2,000トンに増強する。稼動開始は来年3月を予定している。
 なお、同社では今回の増強に続いて、中国、欧州での樹脂コンパウンド生産拠点の整備、拡充を進めていく計画。また、関係会社や委託分を含めた今回の増強後の生産体制は次の通り。

[出光石油化学グループのコンパウンド生産体制](トン/年)
日本(千葉工場):                  45,000
日本(カルプ工業):                 40,000
マレーシア(ポリスターコンパウンズ):        22,000
インドネシア(出光コンパウンディングインドネシア): 15,000
北米(アクロコンパウンダーズ):           20,000
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小計:                       142,000
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委託生産分(日本、中国、英国などで社外委託生産):  61,000
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合計:                       203,000