2013年03月06日
産総研、二酸化炭素から医農薬中間体を効率的に合成
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は6日、二酸化炭素とアミン化合物を原料として、医農薬の中間体として有用な2-オキサゾリジノン誘導体を、常温・常圧のまま水中で合成できる技術の開発に成功したと発表した。環境負荷の少ない化学品製造法への発展が期待される。

今回開発した技術では、触媒となる金の錯体を、デンドリマーと呼ばれる樹木状の構造を持つ分子で包み込み保護することで、触媒の親水性化と長寿命化を同時に実現した。

この触媒を水中で使うと、反応容器が二酸化炭素で満たされた状態で、加圧や加熱をせずにアミン化合物から抗生物質やフラルタドンなどの医薬品中間体である2-オキサゾリジノン誘導体が収率よく合成できた。

この技術は、有機溶媒を使わない医農薬中間体の新しい製造法につながるとともに、化学品製造時の環境負荷低減に貢献すると期待される。