2000年12月08日 |
ポリプラスチックス、POMは5年以内に3拠点ともフル稼働へ |
2000年生産は3拠点で12~13万トンの見通し |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:ポリプラスチックス |
ポリプラスチックスは、今春マレーシアにおいて新たに年産3万トンのPOM(ポリアセタール)生産設備を立ち上げ、日本(富士工場)および台湾(台湾エンジニアリングプラスチックス:TEPCO)との間で3拠点体制を構築した。現在はコスト競争力に優れたマレーシアの稼動を優先、富士工場で稼動を調整しているが、5年以内には3拠点ともフル稼働となる見通しだ。 同社は、1997年3月に全額出資子会社のポリプラスチックス アジア パシフィック(PAP)を設立、1998年初めから重合およびコンパウンド設備の建設に着手、昨年10月に先行して年産3万3,000トンのコンパウンド設備が完成した後、今年3月には重合設備が稼動、7月頃からフル稼働となっている。PAPの新設備は、富士工場の最新鋭の系列をベースに、より電力消費を抑制するなどプロセスに改良を加えており、人件費などを含む立地的な面とあいまって、同社では世界トップレベルのコスト競争力を有していると自負している。販売面でも昨年から標準材料について、順次PAP品への切り替えを進めており、すでに7割が切り替わっている。 ポリプラスチックスグループのPOM生産能力は、PAPが加わったことにより、富士工場の10万トン、TEPCOの2万2,000トンとの合計で15万2,000トンに拡大したが、PAPの稼動と同時に富士工場で一部系列を休止するなどの調整を行っている。このため今年のグループ生産量は12~13万トンとなるもようだ。 今後の見通しについて同社では、日本の需要は年率2%弱の成長にとどまるものの、アジアの需要の半分以上を占める中国で2桁の成長が予想されることから、今後中国での販売を強化する。中国の需要は、昨年後半から今年にかけて急速に拡大、今年には10万トンを突破する見通し。ポリプラスチックスは、日系および欧米系のユーザー向けではある程度のシェアを確保していることから、今後はローカル向けの販売を強化し、最終的には日本や東南アジア同様、60%のシェアを目指す。これらの結果、5年以内には3拠点全ての設備でフル稼働を目指す。 |