2000年12月07日 |
出光石化、SPSは計画中のPPSとの相乗効果にも期待 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
出光石油化学は、PS(ポリスチレン)とのアロイなどによる汎用樹脂的な用途と、高付加価値なエンジニアリングプラスチック用途の2面展開を進めているSPS(シンジオタクチックポリスチレン)について、エンプラ用途では、来年度にも事業化を決定する予定のPPS(ポリフェニレンサルファイド)との相乗効果に期待している。 SPSは、メタロセン触媒を応用した結晶性のPSで、低比重、270℃の高融点、耐薬品性、耐加水分解性、高周波特性、メッキ特性、高流動性など、多くの特長を持っている。1996年10月から千葉工場内で5,000トンの実証プラントを稼働させているほか、今春には共同研究をしているダウ・ケミカルが旧東ドイツで年産3万6,000トンの本格設備が稼動している。 当初は、コネクターなどのエンプラ用途中心に展開していたが、今年6月に、家電リサイクルを視野に入れた、PSとのアロイグレードを発表、PSやABS樹脂の耐薬品グレードの代替を目指している。 また同社は、エンジニアリングプラスチックのラインアップ強化のため、PC(ポリカーボネート)やSPSに続いてPPSの事業化を検討している。同社は現在もパイロットプラントでPPSを生産、販売を行っているが、、来年にも本格事業化を正式に決定、次世代プロセスを採用して数社との共同投資により2003年頃にも数千~1万トン規模の新設備を建設する予定となっている。 PPSの主力用途は、電気・電子分野のコネクターやコイルボビンなど。現在、他のPPSメーカーは、PPSの上位樹脂に当たるLCP(液晶ポリマー)事業でコネクター関連用途のラインアップを強化しているが、出光石油化学はエンプラとしてのSPSとともに販売することで相乗効果を期待しており、同用途の展開を強化したい考え。 |