2013年03月29日 |
NIMS、厚さ3.5nmの2次元シート有機材料を世界初開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:文部科学省 |
文部科学省の物質・材料研究機構(NIMS)は29日、ドイツのMPIポリマー・リサーチと共同で、厚さが3.5ナノメートル(nm)の2次元シート状有機材料である超分子チオフェンナノシートを世界で初めて開発したと発表した。 今回、チオフェン誘導体と柔軟なエチレングリコール鎖を交互につなげた高分子が、特定の有機溶媒中でチオフェン同士が重なり合うように折りたたまれ、さらに折りたたまれた高分子同士が自発的に集まって(自己組織化して)2次元シート構造を形成することを発見した。 用いた高分子は約80nmの長さだが、折りたたまれているためにシートの厚さは3.5nmしかない。シート内でのチオフェンの配列は、低分子チオフェン化合物を真空蒸着法で製膜した場合の構造と同様であり、電子機能材料への応用が期待される。 また、高分子を溶媒に溶かすだけで真空蒸着膜のような単層膜を作製できるため、簡便で省エネルギー・低コストな電子デバイスの製造につながるものと期待される。 |