2000年12月06日 |
BASFの塗料事業、2000年売上高は最高記録を更新 |
欧州塗料メーカーとして初の日本進出/米国で新設備が稼動 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:BASF、日本油脂 |
BASFはこのほど、塗料事業部門の2000年業績を発表した。BASFグループ塗料事業部門責任者で、BASFコーティングス社長のクラ薄・ペーター・レッベ氏は、「塗料事業の業績は3期続けて記録を塗り替える見込で、2000年の売上高は最高記録を達成するだろう」と語り、さらに「現在、順調な収益により世界の塗料業界のリーディング・カンパニーの1社に位置付けられている。売上高および営業利益は北米とヨーロッパで伸びており、南米地区の経済不況や収益の落ち込みを十分相殺した」としている。 好業績を持続している背景として同社は、中核の自動車用OEM(新車用)塗料、自動車補修用塗料、工業用塗料などのグローバルな製品群への集中に加え、革新力のある顧客や市場に照準をあわせた事業展開、さらにBASF独自の強みを基盤とした、買収や事業提携を目指す同社の戦略などを挙げている。 塗料事業部門の売上高の60%はヨーロッパ以外の地域が占めており、うち北米地域が35%、南米地区が20%を占める。事業別では主力の自動車用OEMの約40%をはじめ、自動車補修用塗料20%、工業用20%と続く。また南米地区のデコラティブ塗料が売上高の15%を占めている。 前述のレッベ氏は、「我々は事業向上を継続するため全事業部門で組織や社内プロセスの最適化を行っている。主にヨーロッパ地域で様々な方策がとられており、この結果生産性を大幅に高め、5,000万ユーロ相当の改善効果を達成した」としている。また北米地域でも同様の取り組みを進めており、厳密なコスト管理とプロセス合理化により、「利益ある成長を持続する体制をとっている」と説明した。 BASFは、アジア地域の成長を睨んだ重点戦略として、先頃日本油脂(NOF)との合弁会社を設立した。レッベ氏は「、国内に塗料の生産・販売拠点を持つ初の欧州企業となり、真のグローバル企業になった。自動車用塗料と工業用塗料のマーケットにおける地位を強化するのに役立つとともに、NOFの粉黛塗料やコイル塗料、プラスチック用塗料、UV塗料はBASFの製品ポートフォリオを補完することができる。また、今後日本の大手自動車メーカーへのアプローチが可能となり、水性塗料などの新技術を市場に紹介することができる」としている。 このほか米国では、ノースカロライナ州モーガントンで10月末から粉黛塗料新設備が稼動しており、「粉体塗料はすでに自動車用塗料として下塗サーフェイスやクリアコートなどで可能性が広がっている」と述べている。 |