2013年04月17日
高見澤スチレン工業会長「円安でPSの輸入増にブレーキ」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会
高見澤博之会長

日本スチレン工業会の高見澤博之会長(PSジャパン社長)は16日の定例記者会見で、「円安を背景にポリスチレン(PS)の輸入増にブレーキがかかった」ことを明らかにした。公表された統計は2月までだが「2月の輸入実績は4700トンで前年同月比37.3%減と大幅に減少し2011年6月以来の水準に戻った」と語った。

今後については、「月間4000トン台か5000トン台か読みにくいが、潮目が変わったのは確かだ」と指摘した。なお、1-2月の輸入合計は1万1800トンで同13.9%減となっている。

逆に、輸出をみると、1-3月で4373トン前年同期比13%減と円安のプラスの影響が出ていないが「生産拠点を海外に移転したユーザーは、円安でも原料の海外調達を崩していないためではないか」と分析した。

同工業会が16日発表した3月のPS生産・出荷実績は、生産が6万1514トンで前年同月比6%減、国内出荷は5万740トン、同23%減で包装用、フォームスチレン(FS)用、電機・工業用、雑貨・産業用の全用途が揃って前年割れとなった。輸出は1387トン、同22%減で出荷計は5万2127トン、同23%減となった。

生産が出荷計を上回ったため、3月末在庫は6万7730トンで前月よりも16%増加し、在庫水準も前月の1.1カ月分から1.3カ月分に増加した。

一方、スチレンモノマー(SM)の実績は、生産が22万7758トンで同43%増だが、円安を背景にした海外向け引き合いの活発化と、PS値上げを控えた仮需の影響とみられる。国内出荷は11万4766トンで同6%増、輸出が11万3512トンで同55%増と高水準になった。出荷計も23万78トンで同26%増となった。