2013年04月19日
旭化成の吉野彰氏、LIB開発で「The Global Energy Prize」受賞
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:旭化成
吉野彰旭化成フェロー

旭化成は19日、吉野彰同社フェローが「モバイル機器、電気自動車、ハイブリッドカーの心臓部といえるリチウムイオン二次電池(LIB)開発における革新的な功績」を称えられ、2013年度の「The Global Energy Prize」受賞が決まったと発表した。

吉野氏は負極にカーボン、正極にLiCoO2(コバルト酸リチウム)を使用することにより、現在のLIBの原型となる二次電池を世界で初めて開発し製作した。
 
正極の集電体にアルミニウムを使用するというLIBの基本技術を開発し、これに必要な電極化技術、電池化技術、周辺技術を開発して、LIBという小型・軽量の新型二次電池を実用化した。

LIBは、現在のモバイル機器やノート型パソコン等のIT機器の世界的な普及に大きく貢献した。今後も電気自動車等の新規市場への広がりが期待されている。

吉野彰(よしの・あきら)氏は1948(昭和23)年生まれ、65歳。大阪府吹田市出身。
1972(昭和47)年、京都大学大学院工学研究科石油化学専攻修士課程修了、旭化成工業(現旭化成)に入社。
イオン二次電池事業推進部商品開発グループ長、エレクトロニクス事業部門電池材料事業開発室長などを経て2003(平成15)年、フェローに就任。2005年から新事業本部 吉野研究室長。

主な表彰に日本化学会・化学技術賞(1999年)、発明協会・奨励賞(2001年)、文部科学省・大臣賞(2003年)、紫綬褒章(2004年)など。海外でも米国電気電子学会などから表彰を受けている。

【用語の解説】
■The Global Energy Prize :2002年にロシアで創設されたエネルギー科学の分野で優れた業績と革新的な技術に対して与えられる、世界で最も権威ある賞の一つ。6月にサンクトペテルブルク インターナショナル エコノミックフォーラムで授賞式典が行われる。