2013年05月14日
ソルベイ、欧州塩ビ事業をイネオスと統合、将来塩ビ事業から撤退へ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

ソルベイとイネオスは5月7日、欧州の塩ビ事業を統合し、50/50のJVとする覚書に調印した。
今後、従業員の代表と協議した後、正式契約を締結する。

この覚書には将来のソルベイのJVからの撤退について記載されている。
JV設立後4年から6年の間にイネオスがソルベイの持株を全て買取り、100%子会社とするというもので、買取価格の方式も決められている。

欧州の塩ビ事業、2007年以来需要が30%も下落しており、輸出も今後減少する見込みで、大幅な供給過剰が予想されている。
今後、シェールガス革命で米国との原料価格差も拡大する。

2012年にトタルグループのアルケムが塩ビ事業から撤退、事業をコモディティ製品に特化するKlesch Group に売却したが、Klesch側が買収時の情報が正確でなかったとして損害賠償を求めたうえで、破産申請を行っている。

そのなかでソルベイは2011年にローディアの友好的買収を行い、スペシャルティ化を推し進めており、これはその一環である。

統合対象は欧州のクロルアルカリと塩ビ事業で、詳細は下記の通り。

ソルベイ:クロルアルカリ工場、製塩工場
    ソルビン(ソルベイ 75%、BASF 25%)の事業
       但し、塩化ビニリデン事業、ロシアの塩ビJVを除く

  注)統合対象は欧州の塩ビ事業だけであり、アルゼンチンとブラジルに工場を持つ子会社のソルベイ・インデュパと、
    タイのJV(ビニタイ)はソルベイに残る。

イネオス:塩ビ事業子会社カーリングのクロルビニル事業全て
      但し、ノルウェーのイネオスのエチレン事業への出資を除く

  注)カーリングにはイネオスが当初買収したEVCと、ノルスクハイドロから買収したハイドロポリマー、
    及び2011年に買収したベルギーのテッセンデルロの塩ビ事業が含まれる。

統合により、JVの売上高は、2012年の決算数値ベースで、43億ユーロとなり、PVC能力で信越化学に次ぐ世界第二位となる。