2013年05月15日
JST、手の把握動作の新たな神経機構 世界初発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は15日、国立精神・神経医療研究センターの研究グループが、手先で器用にものを扱う運動(把握動作)の際に活動する新たな神経機構を世界で初めて発見したと発表した。

これまで、「物をつかむ」という器用な運動では、大脳皮質が直接手指の運動ニューロンを活動させ運動を制御していると考えられていた。しかし、大脳皮質の機能が成熟していない幼児でも反射的に手で物をつかむことができることから、研究グループは把握動作の神経機構が大脳皮質以外の部位、とくに脊髄に存在するのではないかと考えた。

そこで研究グループは、把握動作を行っているサルの脊髄から神経活動を記録したところ、運動の開始時や運動の継続時に活動する神経脂肪を多数発見した。
この結果は、脊髄神経細胞が大脳皮質からの運動指令を統合して、筋活動へと変換している可能性を示唆している。
今回発見された脊髄の機能を有効に活用することで、今後新たなリハビリ法の開発につながることが期待される。