2013年05月21日
農水省、ゲノム情報を活用した次世代生産技術開発に着手
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:農林水産省

農林水産省は、農産物の競争力強化のためには画期的な新品種を短期間で開発することが不可欠と判断し、近く「ゲノム情報を活用した農畜産物の次世代生産基盤技術の開発プロジェクト」をスタートさせる。

このプロジェクトの政策目標は、(1)新品種育成期間を現在の12年間(平成21-23年度の平均)を平成32年度までに4年間に大幅短縮する(2)家畜の生産性向上及び衛生対策費の削減(平成32年度までに、1頭当たりの生産コストを平成23年度比で牛約4%、豚約5%削減)。

こうした目標達成のためには、収量性などの多数の遺伝子が関与する重要形質を改良するための新しい育種技術の開発、新品種開発のための多種多様な有用遺伝子の発掘・創出を行いながらゲノム情報を活用した育種技術(ゲノム育種)を全国展開していくことが不可欠である。

そこで、開発プロジェクトでは次の4点の研究に取り組む計画である。
(1)DNA(デオキシリボ核酸)マーカー選抜育種を全国展開していくため水稲のほか、麦・大豆・園芸作物のDNAマーカー開発、生産現場に適応した育種素材の開発・提供等による全国育種システムの構築
(2)多数の遺伝子が関与する重要形質を改良する高度情報処理技術による次世代の育種技術の開発
(3)遺伝資源から有用遺伝子を効率的に発掘する技術の開発
(4)家畜の革新的な育種・繁殖・疫病予防技術の開発

開発プロジェクトは、民間団体等に補助金を交付する方式で実施していく考えである。