2013年05月22日
理研、高効率なタンパク質の合成に成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所(野依良治理事長)は22日、大腸菌が通常持っているタンパク質合成過程において、タンパク質合成終了の目印となる終止コトンを除いた環状のメッセンジャーRNA(mRNA)を鋳型に用いてエンドレスにタンパク質合成反応を起こすことに成功したと発表した。

理研では、高効率に目的のタンパク質を合成する手法を開発するため、タンパク質合成で最も時間のかかる過程(リボソームの解離から次の結合までのサイクル)に注目した。

もし、終止コドンを除いた環状mRNAで合成ができれば、リボソームがいったん結合するとエンドレスで合成が可能になる。今回、実際に終止コドンを除いた環状mRNAを作製して、大腸菌が持つタンパク質合成過程を用いて評価した。その結果、直鎖状mRNAと比較して、環状の場合は単位時間当たり約200倍の高効率で進行することを確認できた。

この手法は、長鎖タンパク質のコラーゲンやシルクなどを人工合成する手法として多様な応用が期待できる。
この研究成果は、ドイツの化学会誌に近くオンライン掲載される。