2013年05月29日 |
NEDO、「微生物燃料電池による廃水処理」実用化へ |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:NEDO |
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は29日、従来の活性汚泥法と同等の廃水処理性能を持つ微生物燃料電池装置を渡邊一哉東京薬科大学教授らのグループが開発したと発表した。装置の容積は約1リットルと実験室サイズだが、微生物燃料電池の廃水処理性能が実用レベルに達したことを示すものだとしている。 現在、生活下水や工場廃水の処理には、微生物を使った活性汚泥処理法が広く用いられているが、微生物に酸素を供給するため多大な電力エネルギーを消費し、万一、電力が止まれば処理できなくなるという問題がある。 東京薬大の渡邊教授らは、NEDOのグリーン・サスティナブルケミカルプロセス基盤技術開発プロジェクトの1つである「微生物触媒による創電型廃水処理基盤技術開発」に参加し、東京大学、積水化学工業、パナソニックなどと共同で同技術の開発を行ってきた。 この結果、廃水処理に適した新たな微生物燃料電池装置を開発した。 絶縁膜(プロトン交換膜)をはさんで正極と負極を一体化した“カセット電極”を作成し、このカセット電極を微生物反応槽に複数挿入することで、スラローム型流路を形成した微生物燃料電池となる。 廃水処理に適用すると、汚濁廃水中の有機物から電気エネルギーが回収され、省エネ型廃水処理が可能になると期待される。 今後、スケールアップ技術開発、低コスト電極製造技術の開発、ベンチスケールでの実証実験など、実用化に向けた技術開発に取り組む。 |