2000年12月01日
電気化学、2001年にスチレン系樹脂を国内外で増強
シンガポールのPSは8万トン規模に/透明樹脂・クリアレンも増強
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:電気化学工業、東洋スチレン

 電気化学工業は来年、国内外でスチレン系樹脂の増強を相次いで実施する。来年初めにシンガポールの子会社DSPL(Denka Singapore Private Limited)のPS(ポリスチレン)を30%増強、また日本では3月にSBS樹脂「クリアレン」を50%増強、6月にも透明樹脂設備を60%増強する。
 DSPLのPS設備は、高分子、高硬度、高透明なGPグレードであるMW-1のみを生産する設備で、1997年12月に年産6万トン能力で商業生産を開始して以来、順調に販売を拡大している。当初は中国を中心に販売していたが、その後東南アジアや米国へも販路を拡大している。現在はフル稼働となっており、今後の需要に対応するため増強を実施するもの。今回の増強はボトルネックの解消によるもので、約30%の能力アップにより、年産8万トン規模に拡大する。
 また、クリアレンは、1998年秋に千葉工場の既存設備とのS&B(スクラップ・アンド・ビルド)により年産1万トン設備を建設、昨年には5,000トンの増強を実施し、現在年産1万5,000トンの生産能力を有している。クリアレンは、ペットボトル用シュリンクフィルム向けを中心に需要が好調に推移しており、来年3月をめどに60%増強、生産能力を年産2万4,000トン規模に引き上げる。
 さらに透明樹脂については、透明ABS樹脂やMS系の透明樹脂を生産している。設備は、PSの合弁会社東洋スチレンのスタート時に移管しなかった合計10万5,000トンの設備の一部を用いて生産しており、需要の拡大にともなって今年6月に60%の増強を実施しているが、来年6月をめどに旧サンスチレンの設備を改良することにより、さらに60%の増強を行う。
 今回増強する3つの樹脂は、全て透明のスチレン系樹脂であり、透明グレードのラインアップを強化し、高付加価値化をはかることにより、収益性を高める考え。