2013年06月14日
「エネルギー白書」閣議決定 再生エネ 最大限導入
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

政府は14日、平成24年度版「エネルギー白書」を閣議決定した。エネルギー政策基本法に基づき、講じるべき施策をまとめたもので、今年は10回目。(1)エネルギーを巡る世界の過去事例からの考察(2)東日本大震災とわが国エネルギー政策のゼロベースからの見直しーの2本立て構成となっている。今国会に報告する。

この中で、非在来型資源のシェールガスについて、「1990年代には非採算だったが、さまざまな掘削技術の進歩により米国で2000年代半ばから生産が急拡大した。米国では天然ガス生産の25%をシェールガスが占めるまでに拡大している」と報告した。

また、わが国の再生可能エネルギー導入については、(1)固定価格買取制度の着実かつ安定的な運用(2)相対的にコストの低い風力・地熱の導入基盤の強化と、導入拡大のための規制・制度改革により“最大限の導入”を図る。そのために「太陽光発電の買取価格引き下げ」(非住宅用発電は1KW当たり42円を25年度は37.8円に)や「環境アセスメント手続きの迅速化」(3~4年を要する手続き期間を半減)、「地域内送電網の整備」を急ぐ。

エネルギー調達先の多角化策では「世界最高水準の高効率火力発電(石炭・LNG)の導入」を挙げ“環境に配慮しつつ導入を図る”とした。そのために技術開発を進め、世界最高水準の発電効率の更なる向上を目指す。

白書は、これまでの事例から、わが国エネルギー政策構築に向けての課題として(1)生産施設の事故・自然災害(2)供給国の政策変更による輸出削減(3)輸送ルートの封鎖(4)流通システム・制度の不備(5)エネルギー価格の高騰・地球環境への影響ーなどを挙げ「いずれにもきめ細かい対応が必要不可欠」とした。

今後のエネルギー政策については“ゼロベース”から見直す。産業競争力会議における「戦略市場創造プラン」での議論や成長戦略につながる技術、産業(高効率火力発電、蓄電池、燃料電池自動車、水素ステーション)の動向を見た上で年内に具体案をまとめる方針だ。