2013年06月17日
千代田化工、北海道に世界最長の「高温超電導」送電システム
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:千代田化工建設

千代田化工建設は17日、住友電気工業(大阪市)、中部大学(愛知県春日井市)、さくらインターネット(大阪市)各社と共同で、北海道石狩市に世界最長の「高温超電導直流送電システム」を構築し、太陽電池など直流電源設備からの通電試験を実施すると発表した。同日、協力各社と覚書に調印し、本格業務を開始した。

経産省の委託事業「高温超電導直流送電システムの実証研究」によるもので、2013年度の受託金額は約25億円。

従来の超電導材料は、電気抵抗をゼロにするため、液体ヘリウムを用いてセ氏マイナス269度程度まで冷却する必要があったが、高温超電導材料の開発により、液体窒素温度(セ氏マイナス196度)で超電導特性を得ることができ、長距離にわたる超電導送電が現実のものとなった。

石狩湾新港地域に約500mと2Km以上の2つの回線を設置し、2014年度から一部実証運転を開始する。
約500mと短い方の回線では太陽電池など直流電源からの送電確認を行う。
また2Km以上と長い方の回線には、交流変電所からの送電システムや冷却システムなどを建設し、長距離送電システムの実用化に向けた実証研究を行う。

北海道は太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーが豊富なため、将来は多様なエネルギーソースを活用した「スマート・コミュニティ」の展開も可能になるとしている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1371452066.pdf