2000年11月30日 |
晝間電気化学社長会見「収益の安定成長」に自信 |
構造改善終え“成長分野”拡大へ |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:中外製薬、デンカポリマー、電気化学工業、東洋スチレン |
電気化学工業の晝間敏男社長は30日記者会見し、中間期決算の概要や今後の経営方針などを明らかにした。この中で「不採算部門の整理ができ経営基盤が固まった。これからは重点成長分野の拡大に力を入れていきたい」「再建から発展へ、がキーワードになる」など、今後の展開に自信を示した。 発言要旨次の通り。 (1)これまでに取り組んできた合理化や構造改善によって、当社の事業内容は様変わりし、収益に結びつく経営体質になった。今後は重点成長分野の拡大に力を入れ、さらに業績を伸ばしていきたい。 (2)グループ経営でみると、証券、不動産、樹脂加工で負の遺産をかかえていたが、すべて整理され健康体になった。単体で見ても、スチレン事業は東洋スチレンが原料値上がりの中で健闘し、利益体質を維持している。塩ビ事業は生産の一部を除いてほぼ撤退した形になっているので、直接当社の経営に影響はない。子会社東洋化学は健全経営しているしデンカポリマーももう一息のところまできている。 (3)8月から当社の高分子量ヒアルロン酸を原料にした医薬品『スベニール』が関節機能改善剤として中外製薬から売り出されたが、反響が大きく売れ行きも好調なようで喜んでいる。数10億円規模の大型商品になるといわれ期待しているところだ。 (4)海外ではシンガポールの3事業が揃って好調なので心強い。売上げは合わせて100億円規模に達し、利益も計上している。現在3事業のうち溶融シリカの増設を行っており、来年2月本格稼動に入る。ポリスチレンも2~3割の能力アップを検討している。スチレン事業は競争が激しいが、新規分野に注力していく方針だ。またアセチレンブラックも新製品分野に若干の増設が必要となるなど順調だ。 (5)成長分野として電子包材、食品包材、機能樹脂、さらに電子材料、特殊混和材などにとくに力を入れ、重点的に拡大していく戦略をとりたい。基本的には規模のメリットを追うのではなく、身の丈に合った経営をしていきたい。自社資源を最適、最大限活用し、特色と存在感のある化学会社を目ざしたい。 |