2013年06月17日 |
NIMS、アルミニウム表面酸化の動的過程を解明 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:文部科学省 |
文部科学省の物質・材料研究機構(NIMS)は17日、独自に開発した分子軸方位を制御した酸素ビームを用いて、アルミニウム表面酸化の動的過程を解明する決定的証拠を示し、20年間続いた反応機構の議論に決着をつけたと発表した。 アルミニウムの表面酸化は、表面科学の基本問題と位置付けられ、長年にわたりその反応機構が詳しく研究されてきた。しかし、酸素分子が表面に吸着・解離する原子レベルの過程に関しては、過去の実験や理論的解釈が相互に矛盾し、全体像が描けない状況が20年以上続いていた。 今回NIMSは、開発した分子軸方位を制御した酸素分子ビームを用いて、アルミニウム表面への酸素吸着確率が分子軸方位に大きく依存することを明らかにした。これまでは、低速条件で軸が表面垂直の分子が吸着機構が正しいと考えられ、このことが反応機構の議論を長年混乱させてきた。 しかし今回、この機構が誤りであることを証明した。 今回の研究に用いた分子軸方位を制御した酸素ビームは、反応解析だけでなく、代替触媒研究にも有用であること期待されている。 |