2000年11月30日 |
日本ゼオン、2000年9月中間期連結は増収増益 |
連結子会社の異動/米国の事業買収効果が影響 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:日本ゼオン |
日本ゼオンの2000年9月中間期業績は、売上高947億9,400万円、営業利益が44億8,600万円、経常利益32億9,600万円となり、当期純利益は8億2,500万円となった。同社が中間期の連結業績を公表したのは初めてだが、試算ベースで前年同期と比較すると増収増益となった。 連結売上高を事業部門別に見ると、ゴムは前年同期比13.5%増の395億5,300万円、ラテックスは7.7%増の79億3,500万円、化成品は0.1%減の104億5,600万円、情報・環境・健康が16.3%増の133億4,000万円、その他が235億8,300万円と18.4%増加した。合成ゴムの増収は、7月に持分法適用子会社であった東京材料と連結子会社であったゼオン商事の合併により存続会社の東京材料が連結対象子会社となったこと、米国で2社のNBR(アクリロニトリル・ブタジエン・ゴム)事業を買収した効果がフルに寄与したことなどが大きく影響したほか、ラテックスは、前年不振だった手袋用が回復した。情報・環境・健康の増収分18億円のうち単体によるものが15億円あったが、RIMは主力の合併浄化槽向けで、単独浄化槽からの切り替えが遅れたため伸び悩んだことから、期初予想に比べるとマイナス、医療器材は一部輸入販売の商権が消滅すること、また環境資材は地方自治体の投資不振、高機能樹脂は期待していたフィルム向け需要の立ち上がりの遅れなどが減少要因となった。 一方単体業績は、売上高が2.1%減の586億8,900万円、営業利益が4.7%減の23億1,200万円、経常利益が1.3%減の17億3,100万円となり、当期純利益は1億900万円の赤字となった。 売上高の減収分13億円の内訳は、販売数量の減少がマイナス8億円、販売価格の上昇が+11億円、為替の影響がマイナス16億円となっている。また営業利益利益段階では、販売数量増が+12億円、販売価格上昇がプラス11億円、その他プラス26億円(うち固定費削減がプラス10億円)となったものの、為替の影響でマイナス16億円、原料価格上昇でマイナス34億円となり、差し引き1億円の減益となった。 連結対象の異動については、先に述べた東京材料の連結子会社化のほか、水島における汎用塩ビの生産停止にともない、原料を製造していた山陽モノマーが生産を停止、販売がなくなった。なお山陽モノマーは、10月1日付で日本ゼオンと簡易合併している。このため日本ゼオンで使用可能な設備以外で除却損を計上した。 なお通期の連結業績は、下期の為替1ドル=105円、ナフサ価格キロリットル当たり2万5,500円を前提に、売上高1、966億円、経常利益67億円、当期27億円を予想している。要因としては、日本以上に原料価格が高騰している米国の合成ゴム事業の業績が下期さらに悪化する見通しであり、単体も、下期が厳しい見通しで、さらにコンパウンド生産子会社のゼオンポリミックスが販売も手がけることになるため、25億円の減収要因となると見ている。その一方で、情報・環境・健康事業については、初めて営業利益段階で赤字からの脱却を見込んでいる。 |