2013年06月26日
理研、「1滴の血液からクローンマウス誕生」に成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所(野依良治理事長)は26日、1滴の血液から分離した非リンパ球の白血球を用いて、体細胞クローンマウスを作出することに成功したと発表した。

体細胞核移植クローン技術は、核を除いた卵子(除核卵子)に体細胞(ドナー細胞)を移植することで、ドナー細胞と同じ遺伝情報を持つ個体を作出することができる技術である。理研では、マウスの尾部から採取した1滴の血液内にある非リンパ球の白血球を分離、これをドナー細胞として体細胞クローンマウスを作出することに成功した。

白血球には、非リンパ球のもとリンパ球のものがあり、リンパ球のDNA(デオキシリボ核酸)は再構成されているためクローン技術には適していない。ドナー細胞には非リンパ球の細胞だけを利用する必要がある。

そこで、判別法で検討したところ、直径8マイクロメートル以上の細胞を顕微鏡下で選ぶことで、約85%の正確さで非リンパ球から得られることがわかった。

今回の成果により、マウスを用いる医学生物学の分野では、不妊マウスや系統最後のマウスの系統を維持する技術の確立が期待される。