2013年07月01日
阪大、多剤排出タンパク質の阻害剤結合構造決定に世界初成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は1日、大阪大学が緑膿菌および大腸菌の主な多剤排出タンパク質の阻害剤との結合構造の決定に世界で初めて成功したと発表した。

抗生物質の発達で克服されたと思われた細菌感染症が、多剤耐性菌の登場で大いなる脅威になっている。
中でも多剤耐性のある緑膿菌には有効な治療薬が全く存在せず、その主原因は薬物を異物として排出するタンパク質(多剤排出タンパク質)にあることが知られている。

今回、阪大の産業科学研究所では、緑膿菌・大腸菌の多剤排出タンパク質の阻害剤との結合構造決定に世界で初めて成功し、社会的に大きな問題となっている多剤耐性緑膿菌感染症を克服するための治療薬開発に道を開いた。

この研究成果は、6月30日(英国時間)に米国科学誌ネイチャーのオンライン速報版で公開される。