2013年07月05日 |
石化協「保安に重要な技術伝承」 トップ懇談会まとめ |
【カテゴリー】:行政/団体(環境/安全) 【関連企業・団体】:石油化学工業協会 |
石油化学工業協会は4日、昨年11月から今年6月にかけて計5回開催してきた「保安トップ懇談会」を総まとめし発表した。コンビナート各地で“痛恨”の災害事故が相次いだことを受け、対策の徹底をトップ同士で誓いあった。 会員会社30社のうち26人のトップが参加。田村昌三東大名誉教授をモデレーターに率直に情報・意見交換した。 この中で、保安には「トップの役割」が重要であり、トップの強い意志を最先端まで浸透させることが何より大事だとの点で一致した。 <教育・事業伝承> また、最大の問題とされる「教育、技術伝承」については、以下のような指摘があった。 ・ 非定常での応用動作ができない。 ・ 保安をリードする人材育成および伝承教育ができておらず、原理原則、ノウハウが理解されていない。 ・ プロセス全体の把握、理解ができていない。 ・ 技術の進歩によってトラブルは減少したものの、経験不足からトラブル時の対応ができなくなっている。 ・ コミュニケーションの機会が減少し、技術の伝承が進んでいない。 ・ 自動化・デジタル化が進展した結果、実際に設備の中で生じている現象が創造できない。それらについて考える必要が少なくなっている。 ・ プラントの建設が減少し、現場の課長クラスが装置内部を実際に見る機会が少なくなっている。 <政府への要望> 政府への規制のあり方の要望については、 ・本質的な保安対策・向上と規制緩和が両立する方向での検討をしていただきたい ・真の安全確保は規制だけでは必ずしも向上せず、企業の自主的な取り組 みとのバランスが大事であることを認識して対応していただきたいーとの意見が示された。 これらの意見は、現在政府がとりまとめ中の「産業保安に関する行動計画」に織り込まれる。 また、石化協は新たに「トップセミナー」などを行い、引き続き保安意識を高めていく方針だ。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1372996859.pdf |