2013年07月11日

理研、制御性T細胞を誘導する腸内細菌の同定と培養に世界初成功

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：理化学研究所

理化学研究所（野依良治理事長）は11日、東京大学大学院との共同研究グループが免疫反応を抑制する働きのある制御性T細胞（ティーレグ細胞）を誘導するヒトの腸内細菌の同定と培養に世界で初めて成功したと発表した。 今回同定されたヒト腸内細菌は、17種類のクロストリジウム属菌からなり、健康なヒトの糞便から分離した。 共同研究グループは、同様な活性を持つマウスの腸内細菌をすでに同定しているが、今回、ヒト糞便から分離した腸内細菌からクロストリジウム属菌を濃縮し、さらに数回にわたる希釈とマウスへの投与実験を経て、ティーレグ細胞を増やす効果のある17菌種の混合物を同定した。 さらに、個々の菌を分離して個別に培養することにも成功した。 今回の研究成果は、アレルギーや炎症性腸疾患などの過剰な免疫反応が原因となっている病気の治療や予防への応用が期待される。