2013年07月23日
ユニオン昭和、福島にハイシリカゼオライト生産拠点
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工

合成ゼオライト大手のユニオン昭和(昭和電工と米UOPの50:50合弁会社)は23日、ハイシリカゼオライトを日本で製造するため、昭和電工東長原事業所(福島県会津若松市)に生産設備を新設すると発表した。

ハイシリカゼオライトは合成ゼオライトの一種で、高い疎水性を持ち、揮発性有機化合物(VOC)などの吸着に使用される。今後、環境、エネルギー、生活関連分野での需要増加が見込まれている。

同社はこれまで、UOPモービル工場(米国アラバマ州)から同ゼオライトを輸入販売してきたが、世界的な需要の増加から需給タイト状況が続いている。このためUOPグループとして2番目となる製造拠点を日本に新設することにした。生産規模や投資額は非公開。商業運転開始は2014年3月の予定。

ユニオン昭和は現在、三重県の四日市工場で脱水・乾燥用など親水性の合成ゼオライトを製造している。
福島に新設備完工後は三重県との2工場体制となる。今後は、福島第一原発内の汚染水処理や広域除染、廃炉に向けての放射性核種処理のための新製品開発・供給にも力を入れていく方針だ。


<用語の解説>
■ハイシリカゼオライトとは :
合成ゼオライト中のシリカ成分の比率を高め、疎水性をもたせた物質。水分よりも揮発性有機化合物(VOC)や臭い成分を優先的に吸着するためVOC除去や脱臭目的に使用される。特に、プラスチック製品や繊維素材等に混合しての脱臭、ガス吸着、有害VOC除去、バイオガスの精製、船舶バラスト排水の殺菌等にニーズが高まっている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1374560980.pdf