2013年07月29日
東大院、世界最軽量・最薄、折り曲げ可能な有機LEDを開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は29日、東京大学大学院の染谷隆夫教授(工学系研究科)らの研究グループが、世界最軽量(1平方メートル当たり3グラム)で最薄(2マイクロメートル)の、くしゃくしゃに折り曲げても動作する新しい光源として「超薄膜有機LED(発光ダイオード)」の開発に成功したと発表した。

同研究グループは、厚さ1.4マイクロメートルの極薄高分子フィルムに、有機半導体材料を積層する独自の作製技術を確立した。

具体的には、高温で高エネルギープロセスが必要な、酸化インジウムスズの透明電極を利用せず、低温・低損失で形成可能な導電性高分子を電極(陽極)に活用した。この有機LEDは、超薄型にもかかわらず、くしゃくしゃに折り曲げても動作する。最小曲げ半径10マイクロメートルを達成し、輝度は1平方メートル当たり100カンテラ。

さらに、柔らかい伸縮可能なゴムの上に有機LEDフィルムを張り付け、伸縮自在なLEDの開発にも成功した。今後、あらゆる曲面に張り付けられる有機LEDディスプレイ、装着感のないヘルスケア・センサー用途の光源など多方面への応用が期待される。