2000年03月31日 |
補正予算のプラリサイクル技術開発委託先が決定 |
廃プラのメタノール化ではダイセル化学など |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:ダイセル化学、NEDO |
通産省が推進する「循環型経済システム構築に向けたリサイクル技術開発」のうちの廃プラスチックリサイクル技術の開発委託先がこのほど決定した。 開発する技術テーマは3件で、そのうちの一つの「循環型PETボトルリサイクル技術」の開発はアイエスが、また、「廃プラスチックのメタノール化リサイクル技術」の開発はダイセル化学工業と新日本製鐵の両社が、そして「廃強化プラスチック(FRP)製品再資源化等実証システム」の研究は強化プラスチック協会と甲陽建設工業がそれぞれ担当していくことになっている。 これらの企業と団体は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から委託を受けてクリーンジャパンセンターと協力しながら開発を進めていく。必要資金は、通産省が確保した11年度補正予算のうちのNEDOへの出資金や補助金を活用していくことになる。各テーマの予算額は、「循環型PETボトルリサイクル技術開発」が7,799万6,000円、「廃プラスチックのメタノール化リサイクル技術開発」が2億5,099万4,000円、「廃FRP製品等再資源化実証システム研究」が1億7,893万9,000円となっている。 各開発テーマの概要は次の通り。 [循環型PETボトルリサイクル技術の開発] 使用済みPETボトルを多段階の解重合、異物除去、精製等を経てモノマーであるBHETに化学分解するとともに、分解工程で使用されるエチレングリコールを再利用する効率的なPETモノマー製造技術およびこれによって得られたPETモノマーを精製して高純度BHETとし、これをさらに溶融重合・固層重合を経てPETボトル用の樹脂を製造するリサイクル技術プロセスを開発する。 [廃プラスチックのメタノール化リサイクル技術の開発] 廃プラスチックと酸素を一段式のコンパクトな分解炉に投入し、1400度C前後で部分酸化させて高純度の一酸化炭素と水素を発生させ、さらにこれを反応させるなどでメタノールや酢酸等の化学製品を合成する技術を開発する。 [廃FRP製品等の再資源化実証システムの研究] FRP製品の原料のうちのプラスチック成分はセメント製造の燃料に、そしてガラス繊維はセメント原料にそれぞれ利用することが期待されている。このために、硬度の高い製品を効率的に分別・破砕する技術の開発、およびセメント燃料として有効な燃料熱量を調整するための廃FRP製品と他の廃プラスチック製品等との混合技術の開発を行う。 |